HOMELANDシーズン2観了

圧巻。と言う他ない。単純にあれほどクライマックスに向けて緊張感をじわじわと上げていき最後にまさに「爆発」させるその手際はもう見事という他ない。ドラマという媒体のエンターテインメントを熟知している、という感じだった。

そして役者もみな素晴らしい。キャリー役は特に感情を乱したときの目の演技がよかった。茶髪のカツラを被ったとき見た目が本当に地味になったのが驚いた。ブロディ役は英雄とテロリストを行き来する役だったが、風貌からすでにその宙吊り感というか捉え難さが充溢していてこの上ないはまり役だった。ソールのキャリーを包む優しげな表情、デイナの思春期らしい不満たらしい顔wなど挙げればキリがない。

第1シーズンでキャリーはブロディをテロリストだと疑いながら惹かれてもいた。その関係が観ててちょっと謎だったんだが、シーズン2になってアブ・ナジールとの三角関係だと捉えると結構しっくりくる(勿論取り合うのはブロディ)。その証拠にキャリーが捕まったときのナジールの、ブロディとの間には愛さえ芽生えていた(この発言は怪しいもんでただ駒としてしか見てないだろ、とも言えるが一応言質w)という発言。そしてブロディも英雄とテロリストの間で揺れる自分を知ってて受け止めてくれるのはキャリーしかいないからそっちにつく、と。んでナジールは排除されたので、心おきなく二人でいれるね、となったところで最後のあのテロ。

ブロディの家族は帰還してから非常にアメリカ的ファミリーとしてメディアに乗せられ、彼は副大統領候補にまでなったんだが、そこまでいくにはとことん嘘をつかねばならないようで、デイナとフィンが起こしたあの事件。結局ブロディが嘘に耐えられず家庭は壊れてしまうんだが、その家族の描写はどこも濃かった。あと奥さんの気持ちはよく分かるんだが子供の叱り方が結構マズいときがあってそこはやきもき。

無人機での爆撃を指示した副大統領とデイビットだったり、フィンのひき逃げをもみ消した副大統領の妻が結果的に最後逝ってしまうのは妙に因果応報的なあれがあったのが少し引っ掛かるけど本当に素晴らしいドラマだった。シーズン3、もしかしたらもっとこの先続いていくかもしれないが、その緊張感がいつまでも続くよう。

クインとガルベス君がお気に入りです。